「お久しぶりです、という言葉を聞くと、私たちはホッとするんです」。そう語るのは、都内の総合病院で10年以上受付デスクに立っている佐藤さん(仮名)です。佐藤さんへのインタビューを通じて見えてきたのは、患者側が抱く不安とは対照的な、医療従事者側の温かな視線でした。佐藤さんによれば、受付で「久しぶりすぎて申し訳ないのですが」と恐縮する患者さんは非常に多いそうですが、スタッフの本音は全く逆だと言います。「以前お越しいただいた方が、また何かあった時に私たちの病院を思い出してくださった。それは私たちにとって、信頼されているという何よりの喜びなんです。だから、謝る必要は全くありません」。受付でのやり取りをより円滑にするために、佐藤さんが特にお願いしたいポイントが3点あります。まず1点目は、とにかく「診察券を持ってきてほしい」ということです。どんなに古くても、診察券があるだけで患者さんの基本情報の照合が秒単位で完了し、待ち時間を減らすことに直結するからです。2点目は、保険情報の変更です。久しぶりの受診では、転職や扶養の変化で保険証が変わっているケースが非常に多く、これを会計時に指摘されると手続きに時間がかかってしまいます。受付の最初の段階で「保険証が変わりました」あるいは「住所が変わりました」と申告してくれるのが最も有り難いとのことです。3点目は、現在の「お薬事情」です。久しぶりに来院される方は、その空白期間に別の病院にかかっていることが多く、そこで処方されている薬の情報がないと、医師が適切な治療を判断できません。お薬手帳は受付で診察券と一緒に提出するのがマストだそうです。佐藤さんは最後にこう締めくくりました。「受付は、患者さんと病院を結ぶ最初の架け橋です。言葉に詰まっても構いません。『久しぶりです』の一言があれば、あとは私たちがしっかりとナビゲートします」。このインタビューから分かるのは、病院の受付は決して審査の場ではなく、患者を迎え入れる「家の玄関」のような存在であるということです。専門的な知識がなくても、丁寧な敬語を使おうと気負わなくても、ありのままの状態で窓口へ行けば良いのです。医療スタッフは、あなたの久しぶりの一歩を歓迎し、再び健康な毎日へと繋げる準備を整えて待っているのですから。
病院の受付担当者が語る久しぶりに来院する患者さんへの本音とお願い