子どもが急に「おしっこが近い」と言い始め30分や1時間おきに何度もトイレに行くようになると、親としては「何か病気なのではないか」と心配になるものです。子どもの頻尿は大人とは異なり、その原因の多くが一時的なものであったり心理的な要因であったりすることが多いという特徴があります。子どもの正常な排尿回数の目安は年齢によって異なります。幼児期(1~3歳)では1日に10回前後、学童期(6歳以降)になると大人と同じ5~7回程度に落ち着いてきます。この目安から著しく回数が増え1日に15回や20回にもなるようであれば頻尿を考えます。子どもの頻尿でまず確認すべきは排尿時に「痛み」を伴っていないかそして「尿の量」です。もし排尿時に痛みを訴えたり残尿感があったり尿が濁っていたりするようであれば「尿路感染症(膀胱炎など)」の可能性があります。この場合は細菌感染が原因であり抗生物質による治療が必要なため速やかに「小児科」を受診する必要があります。また頻尿と共に「異常に喉が渇き大量の水を飲む(多飲)」といった症状が見られる場合は「糖尿病」の可能性も考えなければなりません。一方で痛みや多飲といった症状がなくトイレに行っても毎回少量しか尿が出ないという場合は「心因性頻尿」の可能性が高いと考えられます。これは主に4~6歳くらいの感受性の高い子どもに見られ精神的なストレスや不安が引き金となります。例えば弟や妹が生まれて親の関心がそちらに向いてしまうことへの寂しさや、幼稚園や学校での新しい環境への緊張、友人関係の悩みなどが原因となることがあります。トイレに行くことで親の注意を引こうとしたり不安な気持ちを紛らわしたりしているのです。この場合は原因となっているストレスや不安を取り除いてあげることが最も重要です。頭ごなしに叱るのではなく子どもの話を優しく聞いてあげ安心感を与えてあげましょう。ほとんどは数週間から数ヶ月で自然に治まっていきます。ただし症状が長引く場合や鑑別が難しい場合は一度かかりつけの小児科に相談するのが最も安心です。
子供の頻尿、どれくらいから心配すべきか