お子さんの体に突然三十八度を超えるような熱が出て、ぐったりとした姿を見ると、親としてこれほど心配なことはありません。数日間、不安な気持ちで看病を続け、ようやく熱が下がってほっとしたのも束の間、今度はお腹や背中に赤い発疹が広がっていることに気づく。こんな経験をすると、多くの親御さんは「何か大変な病気なのでは」と再び不安に駆られてしまうことでしょう。しかし、この「高熱が続いた後、熱が下がるのと同時に現れる、かゆみのない発疹」という経過は、実は子供の病気としては非常に典型的なパターンの一つなのです。その代表格が、生後六ヶ月から二歳くらいまでの乳幼児に多い突発性発疹です。これはヒトヘルペスウイルスというウイルスへの初感染が原因で、ほとんどの子供が一度は経験する病気と言われています。特徴的なのは、高熱が出ている間は比較的機嫌が良い子も多いのに、熱が下がって発疹が出る頃に不機嫌になる、いわゆる「不機嫌病」と呼ばれる側面があることです。親としては、熱が下がったのだから元気になってほしいと思うところですが、体の中ではウイルスとの戦いが終わり、その影響で一時的にだるさや不快感を感じているのかもしれません。大切なのは、この一連の経過を知っておくことです。知識として持っていれば、いざ我が子に同じ症状が現れた時に、過度にパニックになるのを防げます。もちろん、子供の症状は一人ひとり異なりますし、似たような症状で他の病気の可能性もゼロではありません。特に、発疹以外に強い咳や嘔吐、ぐったりして水分も受け付けないといった様子が見られる場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。しかし、基本的には水分補給をしっかり行い、子供がゆっくり休める環境を整えてあげることが最優先です。慌てて自己判断で薬を与えたりせず、まずはお子さんの全身の状態を注意深く観察し、不安が拭えない場合はかかりつけの小児科医に相談するという姿勢が、何よりも重要になるのです。