一週間続いた高熱と喉の痛みがようやく引き、やっと社会復帰できると安堵したのも束の間、私の体には新たな異変が起きていました。それは、お腹や背中を中心に現れた、細かい赤いポツポツとした湿疹でした。最初は汗疹か何かだろうと軽く考えていたのですが、翌日にはその範囲が腕や太ももにまで広がり、無視できないほどのかゆみを伴うようになったのです。風邪で体力が落ちている中での新たな症状に、私の心は一気に不安に包まれました。「何かのアレルギーだろうか」「それとも、もっと悪い病気の前触れでは」。鏡に映る自分のまだら模様の体を見て、途方に暮れました。市販のかゆみ止めを塗ってみましたが、効果は一時的で、夜になるとかゆみで目が覚めてしまうほどでした。二日後、私は意を決して、風邪の治療でかかった内科のクリニックを再受診することにしました。医師は私の全身の湿疹を診察し、風邪の経過と服用した薬について詳しく問診しました。そして、「風邪のウイルスに対する免疫反応で出るウイルス性の発疹か、あるいは薬による薬疹の可能性も考えられますね」と説明してくれました。幸い、高熱や粘膜の異常など重篤な症状はなかったため、まずはかゆみを抑える抗ヒスタミン薬と、炎症を抑える塗り薬が処方されました。そして何より、「こういうことは、体がウイルスと戦い終わった後によくあることですよ。心配しすぎないでください」という医師の言葉が、私の不安を大きく和らげてくれました。処方された薬を使い始めると、あれほどしつこかったかゆみは数日で落ち着き、一週間もする頃には、湿疹は跡形もなくきれいに消えていきました。この経験を通じて、私は体調が回復する過程で、予期せぬ症状が現れることがあるのだと学びました。そして、一人で抱え込まずに専門家に相談することの重要性を改めて実感したのです。あの時の不安な気持ちは、今でも忘れられません。