それは穏やかな日曜日の午後のことでした。庭の生垣を剪定していた私は、葉の裏に隠れていたアシナガバチの巣に気づかず、右手の甲を鋭く刺されました。その瞬間の痛みは、熱い針を深く突き刺されたような衝撃で、思わず声を上げてその場にしゃがみ込みました。蜂に刺されるのは人生で初めてでしたが、以前から「2回目が危ない」という話を聞いていたため、一気に不安が押し寄せました。まずは家の中に駆け込み、流水で患部を洗い流しながら、毒を絞り出すように揉みましたが、痛みは増すばかりでした。刺されてから10分ほど経った頃、手の甲だけでなく腕全体に痺れるような感覚があり、心臓の鼓動が激しくなるのを感じました。このままアナフィラキシーになったらどうしようという恐怖が募り、私はすぐに近所の皮膚科へ向かう決意をしました。幸いにも診療時間内であり、窓口で「蜂に刺された」と伝えると、優先的に診察室へ通されました。医師は私の全身をくまなくチェックし、喉の腫れや呼吸音に異常がないかを確認してくれました。幸いにも私の場合は局所的な反応にとどまっていましたが、医師からは「大人の場合、精神的なパニックから血圧が変動することもあるので、受診したのは正解ですよ」と言われました。その場で強力な抗アレルギー薬の注射を受け、ステロイドの軟膏と内服薬を処方されました。受診を終えて帰宅する頃には、あの激しい動悸も収まり、精神的な安堵感が痛みを和らげてくれるようでした。翌日、手の甲はグローブをはめているかのようにパンパンに腫れ上がりましたが、医師の処置を受けていたおかげで、これ以上悪化することはないという確信を持って過ごせました。もしあの時、病院へ行かずに一人で耐えていたら、不安でパニックを助長させ、夜中に救急車を呼ぶ事態になっていたかもしれません。この体験から学んだのは、蜂に刺された際の病院受診は、物理的な治療はもちろんのこと、「安心を買う」という意味でも非常に重要であるということです。特に1人暮らしの方や、山間部などの医療機関から遠い場所にいる方は、初期の違和感を見逃さず、早めに行動することの大切さを知っておいてほしいと思います。
庭仕事中にアシナガバチに刺された私の実体験と受診の記録