今思えば、全ての始まりは子供からもらったただの風邪でした。最初は喉の痛みと少しの鼻水。市販の風邪薬を飲んで数日休めば治るだろうと、いつものように軽く考えていました。しかし、今回は様子が違いました。熱や喉の痛みは治まったのに、鼻の症状だけが一向に良くならないのです。それどころか、鼻水は日に日に黄色くネバネバしたものに変わり、鼻をかんでもかんでもスッキリしませんでした。そして、一番つらかったのが、顔面に現れた奇妙な痛みです。特に、かがんだり、階段を降りたりする振動で、両方の頬骨のあたりがズーンと重く響くような痛みを感じるようになりました。さすがにおかしいと思い、まずはいつもお世話になっているかかりつけの内科クリニックを受診しました。先生は「風邪をこじらせて長引いているね」と言い、抗生物質と鼻の炎症を抑える薬を処方してくれました。しかし、薬を5日間飲み続けても、症状はほとんど改善しませんでした。不安が募り、インターネットで「顔の痛み、黄色い鼻水」と検索して、初めて「副鼻腔炎」という病名を知りました。そして、多くのサイトで「専門は耳鼻咽喉科」と書かれているのを見て、ようやく自分がかかるべき科を間違えていたのかもしれないと気づいたのです。翌日、私は生まれて初めて耳鼻咽喉科の扉を叩きました。そこでは、レントゲン撮影と鼻の中をカメラで見る検査が行われ、医師から「典型的な急性の副鼻腔炎ですね。頬の奥に膿がびっしり溜まっていますよ」と告げられました。診断が確定した安堵感と同時に、もっと早く専門医に来ればよかったという後悔がこみ上げてきました。内科の先生を責めるつもりは全くありません。ただ、鼻や喉の症状が主役の場合は、やはりその道の専門家に診てもらうことがいかに重要かを身をもって痛感した出来事でした。
私が副鼻腔炎で何科か迷い耳鼻科にたどり着いた話