朝起きると顔がパンパンにむくんでいる、夕方になると足が靴下の跡がくっきりつくほどむくむ。あるいは、十分寝ているはずなのに、常に体が重く、だるさが抜けない。これらの症状は、多くの人が経験するありふれた不調ですが、もし長期間続いたり、徐々に悪化したりするようであれば、それは腎臓が発しているSOSサインかもしれません。腎臓の重要な働きのひとつに、体内の水分と塩分のバランスを調整する役割があります。腎機能が低下すると、この調整機能がうまく働かなくなり、体内に余分な水分や塩分が溜まってしまいます。これが、「むくみ(浮腫)」の正体です。腎臓病によるむくみは、特にまぶたや足のすねなど、皮膚の柔らかい部分に現れやすいという特徴があります。また、腎機能が低下すると、血液中の老廃物(尿毒素)を十分に排出できなくなり、体内に毒素が蓄積していきます。この尿毒素が、原因不明の「だるさ(倦怠感)」や、食欲不振、吐き気などを引き起こすのです。さらに、腎臓は「エリスロポエチン」という、赤血球の産生を促すホルモンも作っています。腎機能が低下すると、このホルモンの産生が減少し、赤血球が作られにくくなって貧血(腎性貧血)になります。貧血もまた、だるさや息切れ、めまいの原因となります。では、このような「むくみ」や「だるさ」が気になった場合、何科を受診すればよいのでしょうか。心臓や肝臓の病気でも同様の症状は起こり得ますが、特に他の原因に心当たりがなく、これらの症状が慢性的に続く場合は、まず「腎臓内科」または「一般内科」に相談することをおすすめします。病院では、まず問診で症状の詳しい状況を聞き取り、その後、尿検査と血液検査を行います。尿検査で尿たんぱくの有無を、血液検査で腎機能の指標であるクレアチニンやeGFR、貧血の有無などを調べることで、症状の原因が腎臓にあるのかどうかを判断します。むくみやだるさは、体が発する重要な警告です。単なる疲れと決めつけずに、一度専門医の診察を受けることが、深刻な病気の早期発見に繋がるのです。