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2026年2月
  • ある日突然歩けなくなった私の痛風体験記

    医療

    三十代も半ばを過ぎ、仕事の付き合いでの飲み会が増えていた頃でした。健康診断で尿酸値が高いことは数年前から指摘されていましたが、特に体に不調もなかったため、大して気に留めていませんでした。「ビールを少し控えればいいんだろう」くらいの軽い気持ちでいたのです。その油断が、とんでもない結末を招くことになるとは、夢にも思っていませんでした。その日は、大切なプレゼンを終えた安堵感から、同僚と少し飲み過ぎてしまいました。深夜に帰宅し、ベッドに倒れ込むように眠りについた数時間後、足に感じたことのない違和感で目が覚めました。右足の親指の付け根が、ズキズキと脈打つように痛むのです。最初は寝違えたのかと思いましたが、痛みは時間を追うごとに増していき、夜が明ける頃には赤く腫れ上がり、熱を持っていました。シーツが触れるだけで激痛が走り、トイレに行こうにも足を床につくことすらできません。まさに「風が吹いても痛い」という言葉通りの状態で、私はただベッドの上で痛みに耐えながら呻くことしかできませんでした。這うようにして掴んだスマートフォンで症状を検索し、「痛風」という二文字が目に飛び込んできた時、これまでの不摂生が一気に頭をよぎり、後悔の念に襲われました。結局、その日は会社を休み、妻に肩を借りて近所の整形外科へ。医師は私の足を見るなり、「典型的な痛風発作ですね」と診断を下しました。痛み止めの注射と薬を処方され、尿酸値を下げる治療を始めることになりました。あの激痛は一週間ほどで徐々に治まりましたが、私の生活は一変しました。大好きだったビールやレバーは食卓から消え、毎日の食事内容に気を配り、水を意識して飲むようになりました。何よりも、あの痛みがいつまた襲ってくるかもしれないという恐怖が、常に頭の片隅にあります。尿酸値は、症状がないからといって決して軽視してはいけない、体からの最後の警告なのだと、身をもって痛感した出来事でした。