大人が手足口病にかかったら仕事はどうする
大人が手足口病に感染した場合、日常生活、特に仕事への影響は深刻な問題となります。結論から言うと、症状が出ている間は仕事を休むべきです。手足口病は法律で定められた出席停止期間などはありませんが、感染を広げるリスクと、何より本人の体調を考えれば、出勤は現実的ではありません。まず、三十九度を超えるような高熱や強い倦怠感がある状態で、正常な業務を行うことは不可能です。無理して出勤しても、仕事の効率は著しく低下し、かえって周囲に迷惑をかけることになりかねません。さらに、喉の激痛は会話を困難にします。接客業や電話応対、会議など、声を出すことが求められる仕事では、業務に大きな支障が出ます。また、手のひらに痛みを伴う発疹が出ている場合、パソコンのタイピングやペンを持つことさえ苦痛になります。足の裏の発疹は歩行を困難にし、通勤自体が一苦労となるでしょう。感染症としての観点からも、休むことが推奨されます。ウイルスは回復後も、喉からは一週間から二週間、便からは三週間から五週間という長期間にわたって排出され続けます。特に症状が強く出ている急性期は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染のリスクが最も高い時期です。職場での集団感染を防ぐためにも、責任ある社会人として自宅療養に専念すべきです。では、いつから出勤を再開できるのでしょうか。明確な基準はありませんが、一般的には、解熱し、口の中の痛みが軽快して普段通りの食事が摂れるようになり、全身状態が回復してから、というのが一つの目安になります。多くの場合は、発症から一週間から十日程度の休養が必要となるでしょう。職場には、手足口病と診断されたこと、感染症であること、そして症状が重く業務が困難であることを正直に伝え、理解を得ることが大切です。