マイコプラズマ肺炎と診断された、あるいはその疑いがある時、医師から処方された薬を服用することはもちろんですが、症状を和らげ、回復を早めるためには家庭でのセルフケアが極めて重要になります。苦しい咳の症状を少しでも楽にするための具体的な方法をご紹介します。まず、何よりも優先すべきは「安静」です。咳は非常に体力を消耗します。特に夜間の激しい咳は睡眠を妨げ、免疫力を低下させる原因となります。仕事や家事は無理をせず、できるだけ体を横にして休ませましょう。体力を温存することが、ウイルスと闘うための最大の武器となります。次に重要なのが「水分補給」と「加湿」です。咳が続くと喉の粘膜が乾燥し、わずかな刺激にも過敏に反応してさらに咳を誘発します。これを防ぐため、水や麦茶、スポーツドリンクなどを常温で、こまめに摂取し、喉を常に潤しておくことが大切です。また、空気が乾燥していると咳は悪化します。加湿器を使用し、室内の湿度を50~60%に保つように心がけましょう。加湿器がない場合は、洗濯物を室内に干したり、お風呂場に湯気を充満させてその空気を吸い込んだりするのも効果的です。食事は、喉への刺激が少なく、消化の良いものを選びましょう。おかゆや雑炊、具材を細かく煮込んだスープ、うどん、ゼリーなどがおすすめです。香辛料を多く使った辛いもの、酸味の強い柑橘類、極端に熱いものや冷たいものは、咳を誘発する可能性があるので回復するまでは避けた方が無難です。また、マイコプラズマは飛沫で感染するため、家庭内での感染拡大を防ぐ配慮も忘れてはいけません。咳やくしゃみをする際は必ずマスクを着用し、ティッシュや腕の内側で口と鼻を覆う「咳エチケット」を徹底しましょう。看病する家族もマスクを着用し、こまめな手洗い、アルコールでの手指消毒を心がけてください。感染者が使った食器やタオルは分けて洗い、部屋の換気も定期的に行いましょう。これらの地道なケアの積み重ねが、つらい症状の緩和と早期回復につながります。
止まらない咳の時に家庭でできること完全ガイド